たかくんの成長

たかくんの成長

大学X年生。学習記録や学生生活に関することを書きます。内容は間違っています。

それは本当に、合理的でしょうか

 

 

 

 あなたは、授業中なにやら忙しそうにしている。しばらくすると、我慢ならなかったのか、機嫌が悪かったのか、先生があなたを見て怒鳴った。ちゃんと先生の話を聞け、内職をするな、と。そうか、あの人はどうやら授業中に他事をしていて怒られているようだ。

 

 あなたの言い分はこうだ。先生の授業は退屈で、ためにならない。自分で下を向いて勉強をしていた方がよっぽど効率よく学習が進められるんだ。この間だってよく分からないプリントを配られて、宿題として提出するように強いられたけど、そんなことをする意味が分からない。ほら、こうした方がよっぽど合理的で、効率がいいんだよ。この前だってさ、塾の先生が言ってたんだ。こんなやり方をしていては成績が伸びませんよ!って。僕は塾の先生の方を信じるよ、だって教え子の実績も凄いし、説得力が違うんだもん。受験まであともう少しだっていうのに!

 

 なるほど、あなたの言い分は分かった。次に先生の言い分も聞いてみよう。

 

 先生の言い分はこうだ。私は毎日遅くまで部活の監督をして、クタクタに疲れ果てて、毎日夜22時に家に着く。家に着いたならもういいじゃんって?いやいや、学校から持ち帰ってきた大量の書類の処理、生徒の宿題の採点、明日の授業のプリント作り、部活の遠征の準備もしなければ。あ、そういえばあの子に〇〇大の過去問の質問を受けていたなァ、それも研究しておかないと。そう、仕事は山ほどあるんだ。ちょうど昨日も夜遅くまで授業の準備をしていたところなんだよ。それなのにあいつ、私の苦労も知らないで・・・・。いや、もちろん分かってはいるんだよ。私も授業の準備がしっかり出来ているかと言ったらそうとは言い切れないし、研究をする時間もほとんど取れていないから、申し訳ないとは思ってはいるんだ。けど・・・。

 

 

 あなたは続けて言う。

 あの先生に邪魔されつづけていて、本当に我慢ならないよ。全然効率的じゃないし、時間を浪費してしまってる。これからも負けずに授業中内職し続けるよ。

 

 先生はこう言う。

 あの子のやる気はすごいと思っているよ。でも、私も人間だから、あんな接し方をされては。成績は優秀かもしれないけれど、それが本当に一番大事なことなのかな。

 

 

 

 そんな折、あなたは先生に話しかけに行った。

 先生、今まで生意気言ってすみませんでした。今まで僕は、授業中ずっと下を向いて勉強していたけど、よくよく考えたら、目の前に自分よりずっと能力のある人がいるじゃんということに気付いたんです。私は〇〇大を目指していて、今のままでは到底目標に届かないので、先生に助言をいただきたいんです。先生、よろしくお願いします。

 

 先生は嬉しくなって答える。

 そうか、君はそんな高いところを目指していたのか。そうだな、これをこうしたらいいんじゃないか?あとこの分野も(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・頑張れよ!応援してるからな。

 

 

 そうだ、君!先生は今まで君に対してガミガミ言ってたけど、そんな良いところを目指しているのならちょっとは黙認するよ。確かに、先生の今の授業でそこまでしっかり対応しきれているかと言うと、クラス全体のことを考えると、なかなか難しいんだよね。その代わり最後までしっかりと継続しなさい!

 

 

 

 

 

 

そうして、あなたは以前と何も変わらず、内職を続けた。

 

 

 参考:デール・カーネギー(1936)『人を動かす』