たかくんの成長

たかくんの成長

大学X年生。学習記録や学生生活に関することを書きます。内容は間違っています。

英語のリスニング能力の鍛え方。音声的な側面と、読解力の側面から考察。

 

 英語で最後までついて回るのはリスニングとスピーキング、これは間違いないだろう。なぜならこの二つはリーディングやライティングと違って、自分の好きな速度で走ることが出来ず、どうしても相手の速度に合わせなければならないからだ。

 かくいう自分もリスニングは苦手で、アカデミックな話題はついていけることが多いが、日常会話になるとほとんど無理だ。じゃあ説得力ないじゃんって思われるかもしれないが、リスニング力向上について考えることは無駄ではないはずだ。同じ悩みを持っている人が、この記事を読んで何かの足しにしてもらえれば幸いだ。

 

リスニング能力とは

 一口にリスニングと言っても、リスニング能力とは一体なんなのだろうか?問題を解決するためには対象を細かく分析し、それぞれについて対策を立てることが必要だ。そこで、リスニングとはなんなのかについて細かく見ていく。

 リスニングは主に二つの部分に分けることができる。一つは音声的な側面、もう一つは読解的な側面だ。リスニングが苦手、という人は大抵の場合どちらかの能力が大きく不足しているように思われる。

音声的な側面

 まず道理として、生まれも育ちもジャパン、今まで英語などまともに聞いた試しがない、というような人間がいきなり全く違う音声である英語を聞き取れるわけがない。だから、音声としての英語を聞き分けるために正しい発音を身につけることは重要だ。といっても、シャワーのように聞き流すだけでは英語の正しい発音は身につかない。

 いやいや待てよ、赤ん坊は言葉をシャワーのように浴びるだけで自然に覚えていくじゃん!と思われるかもしれない。しかし考えてみよう。赤ん坊は生まれてから、ある程度大人の言葉を扱えるようになるまでに、十数年以上かかっている。しかもその間はシャワーを浴びているだけではなく、学校で読み書きはミッチリと習っている筈だ。あなたがこれから十数年をかけて英語を習得できればいいと考えているなら話は別だが、多くの人はそれは現実的ではないだろう。

 

 そこで重要なのが、発音記号を身につけることである。発音記号を身につけるということは、CDやDVDなどの音声媒体を介さずに、単語を見るだけでその発音が浮かんでくる、という状態になるということだ。これは効率上極めて重要であって、英語を学ぶ上で一番初めに何をすればいいかといえば、まずこの発音記号を覚えるべきだろう。

 そもそも、言語というのは紙の上に書かれた文字だけで遊ぶものではない。なぜなら、大昔には紙などなかったのだから。その意味で、音声は言語の本質ともいえるのである。だから、言語を覚えたいのにその音を知らないというのは全くもって順番が逆なのだ。(もちろん文字を身につけるのが大変重要であるのは言うまでもない)

 発音記号を身につけるというのはメリットが非常に大きい。最近はどんな単語帳にも発音記号は載っている。学習の初めから発音記号を覚えてしまえば、それ以後に覚える英単語で発音を誤って覚えることがほとんどなくなる(!)

 そして、正しい発音さえ覚えてしまえば、リスニングにおける音声の問題はほとんど解決されたも同然なのである。

 だから、あなたが英語に取り組みたいと思っていて、リスニングもおろそかにしたくないのならば、まずやるべきなのは発音記号をしっかりと覚えることだ。それによって後の英語学習の効率が何倍にも何十倍にも膨れ上がる。

 

読解的な側面

 以外にも見落とされがちなのがこちらである。発音も上手で、ある程度の速度ならリスニングも出来るという中級者にありがちな問題が、読解力の速度の問題だ。短いフレーズや、簡単な会話なら聞き取りが出来るけれど、ある程度の長さや複雑な文章だと途端に参ってしまうというような状況にある人は、多いのではないだろうか?

 

 上の文章で、リスニングの音声的な側面について述べた。つまり、正しい発音さえ認識してしまえばリスニングにおける音声の問題はほとんど解決されるということだ。ならばなぜ、音として耳に入ってきても、脳みそにしっかりと意味が入ってこないという現象が起きるのだろうか?

 

 それは、あなたの読解スピードが、音声のスピードに追いついていないからだ!言い換えれば、あなたの英語の処理能力が、限界速度を超えているのだ。そんなの当たり前じゃんと思う方も多いかもしれない。しかしこれが重要で、意外とこれを徹底して対策できている人は多くない。

 

 なぜなら、この問題の解決策は、リスニング能力を鍛えるためにたくさんリーディングをしろということだからだ。

 

 いま、あなたは発音記号を完璧にマスターし、音声的な問題はクリアされた状況にあるとするしかしそれでもあなたはリスニングに苦労している。だからあなたは、さらに能力を鍛えようと、たくさんのリスニング教材を買い揃え、毎日毎日聞き続ける。。。

 

 もちろんそれも有効ではあるだろう。しかしながらその対処の仕方は、物事の本質が見えていない。なぜなら、あなたは既に音声としての英語は十分身につけているからだ。あなたが苦手としているのは、長い文章や複雑な文章になった途端にその速度についていけなくなるという問題であり、それはもはや音声の問題ではなく、読解力の問題なのだ。(もちろんここには語彙の問題も含まれる)

 

 そしてそれを改善するためにあなたがやるべきことは、リスニング教材を買い込み、繰り返し聞き続けるのではなく、複雑な文章や長い文章の読解に挑戦し、それらをものともしないタフな英語処理能力を身につけることだ。

 

 ここに、リーディングとリスニングの決定的な違いが表れる。それは、限界速度の問題だ。リスニングはどうあがいても音声としての聞き取りの問題上、200wpm*1あたりが限界となる。しかしながらリーディングの場合は、本人の能力に応じて速度をどんどんと伸ばしていける。(300wpm, 400wpm, 500wpmと!)この限界速度の違いこそが、タフな英語処理速度の習得を早めてくれる。

 

 つまり、リスニング能力を鍛えるためにリスニング教材を聞きまくるのは、練習としては負荷が低いのだ。リスニング練習をするにあたってそのことを十分に認識する必要がある。(この場合、音声としての英語能力は十分にあることが前提となる。)

 

 複雑な文章のリスニングができない原因、それはあなたの英語の処理速度に限界があるということだ。日本語での会話を思い出してみよう。あなたはいちいち一語一語を脳内で捉えて会話をしているだろうか?否、そんなことをしていてはすぐに集中力を使い果たし、日常会話などままならないハズだ。あなたは無意識のうちに母国語としての高い処理能力で、耳からの情報を補って会話をしているのだ。

 

まとめ

 どうだっただろうか。リスニングを音声的な側面、読解的な側面とに分解し、それぞれの対処法をまとめた。初めは音声的な側面から取り組み、だんだんと読解的な側面の割合を増やしていくのが良い方法だろう。リスニングに困っている人々に届いたら幸いである。書いている自分自身も、わかっちゃいるけど難しい、と思っているので共に毎日頑張っていこう。

*1:wpm...words per minute。1分間あたりの単語数